【学習意欲向上のために】
大学入試の出題形式におきましては、記述式導入に関して混乱し、延期が表明されました。
形式の論議は国策と経済界の要請に従う他はなく、私達は与えられた学習内容に対して、
いかに意欲的に学び、立ち向かうかに力を集中することが肝要です。
入試は選抜試験という特性上やむを得ず、多くの細かな知識や難解な問いが出題されます。
意欲的に学ぶためには、同時並行して自然法則や社会構造に迫る大局的な理解を目指す必要があると考えます。
複雑に見える事象が、シンプルな原理で理解できたり、断片的な知識が統合されたりする経験が、学習の強力な
モチベーションになるのではないでしょうか。
高等教育の最終目標が、「利潤追求のための生産性向上」にあるのか、それとも「国家と社会の健全な関係を
創り出すために批判的思考力を高める」ことにあるのか、そのバランスを取りつつ、今後も入試改革が進められて
行くと考えられます。
【上質な日本語を活用する】
学習の質を向上させるために、英語早期教育を尊重しつつも、一方では日本語力を駆使した理解力の向上を
目指す必要があります。
「できる限り英語で」という日本語に劣等感を感じる風潮の中、素早い理解のために「日本語で情報を取り
学習できるものはまず日本語で」という学者やジャーナリストの意見も見られるようになりました。
明治以来これまでに蓄積されてきた日本語での西洋学問の蓄積の価値(先人の努力)も再確認されています。
自国語で高等教育まで学べる国は少数であるようです。
日本語を軸に他言語の論理構造を分析し、各教科の理論を深く学んで行く。
私個人としては、日本語でのこれまでの学問を尊重し、美しい日本語の力を信じたいと思います。
参考文献
「オックスフォードからの警鐘」苅谷剛彦
「中央公論2017 英語1強時代 日本語は生き残るか」言語の植民地化に日本ほど無自覚な国はない
「中央公論2020 2050年の世界地図」英語入試ショック
「中央公論2020 入試大混乱」教育改革神話を解体する